家族ゲーム(制度破壊)

昨日は久しぶりに松田 優作主演、森田 芳光監督の家族ゲームを見ました。といいましても最初に見たのがもうだいぶ昔の事でして、まじまじと見たのは二度目の今回という事でした。それで今更ながら多くの点に気付かされたので、予定を変更してこの記事を書こうと思います。

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それで代表的な絵柄が上記にある、円卓のように団らんを囲むのではなく、横並びの食卓という冷ややかなシーンが話題となりました。この映画は1983年上映の受験戦争を題材にしたものですから、高度成長期の後の物質が満たされ、その先を目指す学歴社会という、制度化されたものへの批判という感じがします。

簡単なあらすじは、クラスでも成績が下位の茂之を進学校に入れるため、両親は松田 優作扮する吉本という家庭教師を雇うのです。それで茂之の家庭にしても学校の教師にしても非常に事務的な雰囲気なのですが、象徴的なのが、茂之の部屋にあるジェット・コースターのポスターとスペースワープです。

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スペースワープとは上記画像のような、敷かれたレールの上を鉄球が転がるという遊具なのです。それで別のシーンでは、吉本が茂之を追いかけマンションの階段を均等に下り降りるシーンの対比からも、レールの上を人間という球が転がるという、その制度化された社会を表現したかったのでしょう。

茂之の父親が吉本に、クラスでの順位がひとつ上がれば1万円、30人抜きなら別報酬として30万円払いましょうとの台詞がありました。この分かりやすい評価としての数値化ですが、余談ですが私は次の事をとっさに連想しました。つまり金融資本とは、産業革命以降の高度なもの作りをも、株やら為替やら債権などで数値化させ、インフレ・デフレをも操りながら集積できるものだという事です。

最終的には見事に希望していたひとつ上のランクの進学校に合格するのです。しかし、最初に貼った画像にあるように家庭教師を交えて合格祝いの食事をするのですが、皆が乱闘になり食卓もぶち撒けられるのです。つまりこれが制度破壊だったのでしょう。またこの家族4人で後片付けをしているシーンでは、はじめて家族が一丸となっている姿を垣間見る事が出来るのです。

なぜ家庭教師の吉本は、バスなり電車なりという交通機関ではなく、舟でこの家庭に訪れたのでしょうか。つまりバスや電車とは一般的な凡庸であり、舟で訪れるとは明らかに上位に色分けされているのです。つまりこうでしょう、制度を壊すことのできる人物とは少なくとも一般人ではなく、もっと超越したものであると言いたかったのでしょう。


家族ゲーム(1983) - 劇場予告編
https://www.youtube.com/watch?v=0s5Opi3v_FA


それにしても優作さんの、この張り詰めた演技とは相当の凄みがありますね。80年代を別の観点から分析してみますと、それは映画や音楽をも含む、あらゆる政治・経済・文化、つまり社会が制度化を強めていった時代だったのでしょう。私は基本的に著名人では、松田 優作・ビートたけし・西部 邁 しか好きではありません。つまり彼らが制度に囚われないからです。まあジョニー・サンダースもいいのですが、氏は余りにも制度からは外れていて、パンク・ロックの標榜するアナーキーさが微妙ではありますが、しかし制度化で申せばセックス・ピストルズの仕掛けられたアナーキーにはうんざりです。

優作さんにしても、自分の演技をしたいがために監督やら制作側とよく揉めていたという逸話があります。たけしさんにしても、熱いおでんや熱湯風呂とはある種の制度破壊に思えてなりません。今の俳優や芸人など、つまりスポンサーやらクライアントの意向には逆らえないという、単なるポチではありませんか。そういえばギターリストのCharが、昔はミュージシャンのほうが権力を持つケースもあったが、80年代のいつの時代からか、楽器もできないようなプロデュース側のほうが強くなったと述べていました。

ジャネット・ジャクソンのまさにコントロール(1986年)というアルバムからは、楽器演奏からシーケンス・システムという打ち込みの時代へと移行されましたが、まあこれも音楽における制度化なのでしょう。


80’sも色々
http://internetviking.at.webry.info/201701/article_3.html

松田優作、奇妙なエピソード
http://internetviking.at.webry.info/201106/article_1.html

格闘技、F-1、体罰と苛め問題、酒とタバコ、音楽、などからワンワールドを探る
http://internetviking.at.webry.info/201302/article_8.html

ビートたけしさん から見る郷愁
http://internetviking.at.webry.info/201303/article_5.html


だからこそ優作さんは制度構築には邪魔者とされ消されたのでしょう。たけしさんにしても、フライデー事件やバイク事故で二度も芸能生命が危ぶまれました。西部さんにしては違った事情があり、つまり核武装や自前の軍隊を持つべしと、つまり改憲派ゆえに世論を動かせる存在として温存されてきたのでしょう。

この記事へのコメント

お茶処
2018年07月10日 09:18

バイキングさん新スレお疲れ様デス。

先ずは添削をば。

>たけしさんにしても、フラーデー事件やバイク事故で二度も芸能生命が危ぶまれました。

あせあせ(飛び散る汗)フラーデー→フライデー

デスね。ワタクシも会社でエクセル使ってると時々やらかしマスw


インターネットバイキング
2018年07月10日 19:24
お茶処さん

あっ、本当ですね。

添削ありがとうございます。
インターネットバイキング
2018年07月10日 19:30
記事には上げませんでしたが、尾崎豊も都合が悪かったのでしょうね。学校や社会という制度に抗い、そこからバイクやロックで逃げるかのような幻想を作り上げ、最終的には愛しかないではないかと、尾崎ファンの解体が必衰だったのでしょう。
ハートランド
2018年07月11日 02:00
バイキングさん、新スレ有り難うごさいます。

森田芳光監督、伊丹十三さん、松田優作さん皆、故人になられましたが、森田監督と
伊丹十三さんは年度は違えど同じ12月20日にお亡くなりになっています。
横並びの食卓での食事シーンはまるで最後の晩餐のようで真ん中にいる松田優作、伊丹十三の処刑を予告していたかも。

自分も当時高校生で家族ゲームは劇場に
観に行きました。懐かしいデス。
1983年頃の高校生は青春テレビドラマで言えば"飛び出せ青春"や"われら青春"とスクールウォーズの間の世代でどこか冷めている"シラケ族"と呼ばれてました。
そんなどっかドン引きした冷ややかな80年代前半の雰囲気がこの映画全体にあったと記憶しています。松田優作さんも熱を内に秘めた抑えた演技をされていた様な…。
今思うに制度の枠に嵌め込む為に熱を冷まして固められた世代だったのでしょう。

近々に再度"家族ゲーム"観たいデスね。
伊丹十三のマネして母親に怒られたんだよなぁ💦目玉焼きに口つけて吸い込んだら⤵
インターネットバイキング
2018年07月11日 08:20
ハートランドさん

最後の晩餐的とはそうですよね。伊丹十三という、弟子にキリストを含めると13ですし、悼む13なのかもですね。

目玉焼きの黄身を吸うのを何十年と見てきたにもかかわらす、たまたま黄身を硬くしてしまっても、亭主が半熟愛好であることをはじめて知るように、家庭とはいえ他者に無感心でしたよね。

なぜ無感心となるかといいますと、受験戦争などの制度化が無気力へと繋がるのでしょう。

最後の食卓を破壊するシーンを制度破壊として表現したかったとおもうのです。
ハートランド
2018年07月12日 02:39
バイキングさん、スレ有り難うごさいます。
>なぜ無関心となるかといいますと、受験戦争などの制度化が無気力へと繋がるのでしょう。<

受験戦争から社蓄へ、制度化された人生は
虚しい。

>最後の食卓を破壊するシーンを制度破壊として表現したかったとおもうのです。<

成る程。あらゆる制度の根幹の家族制度を破壊する事で世に余多ある既成概念やレールの上を走ることを否定したのですね。

原作が凄いのか卓抜した感性の森田監督が
素晴らしいのか解りませんが。
制度に囚われないカリスマ性抜群の松田優作の存在感が全てなんでしょうね。

キリスト→松田優作、ぺテロ→悼む十三
もとい 伊丹十三でしょうか。




お茶処
2018年07月14日 02:20

バイキングさんレス恐れ入りマス。

尾崎豊もやはり同じ流れの延長線上でしょうね。

制度破壊は大衆にカタルシスを齎しマスが後に待ち受けるのは更なる束縛だったワケで。

しかも制度破壊は人と人との繋がりの分断にも貢献して仕舞ってマス。既存の(アチラ側が設えた)支配体制に抗うという事は意志を同じくする仲間を集め新たな行政体系を設立出来ねば所詮無理ゲーデス。

にもかかわらず大衆はてんでんばらばらに「民主主義」という「幻想」を恰も現実であると認識して「人権、人権」だとか馬鹿か?そもそも他者を慮るでもなく義務を果たすでもなく自身の「権利」wばかり主張している連中は聖書の中で神に淘汰された民と同じ気質なのでしょうな。

故に聖書を識る事が大事なのにね。


お茶処
2018年07月14日 02:23

NHKの朝ドラの「半分、青い」の主題歌の「アイデア」(星野源作詞作曲歌唱)デスが。

SUS4多くね?

「半分、青い。」主題歌/星野源「アイデア」連続テレビ小説 オープニングタイトル

https://www.youtube.com/watch?v=Z1iq-638UBI&app=desktop


お茶処
2018年07月14日 12:55

ロシアW杯決勝(15日)の前日7月14日はフランス革命記念日だそうデス。んー非常に引っ掛かりマス。


お茶処
2018年07月15日 23:19

麻原彰晃(松本智津夫)が執行された今年は実は、

松本零士(松本晟)の生誕「8」0年にして銀河鉄道「999」40周年だそうデス。

それにしても零士の本名の「晟(あきら)」って明らかに半島系の字面デスわなwキムイルソン…


お茶処
2018年07月16日 12:04

今、先日購入した「松本零士名作アニメ大解剖」なるムックを読んでいるのデスがちょっと気になる情報が。

なんでも「2026」年に「零世紀メーテル」なる映画の公開が決定しているとか。松本零士がご存命ならば「88」歳での公開となりマスねw


インターネットバイキング
2018年07月17日 00:22
お茶処さん

それは面白いですね。他にも「零世紀 エメラルダス」や2023年にも「零世紀 ハーロック」があるみたいですね。
お茶処
2018年07月17日 21:10

バイキングさんレス恐れ入りマス。

松本零士。

その風貌はかの麻原彰晃(あ、「アキラ」が連チャン!)そっくり、てか麻原が松本零士(晟、あ、コレも「アキラ」!)に似ていると言うべきでしょうが…更には飛鳥昭雄も似ているw

何でしょねw

それはさておき、松本零士作品に登場する美女達。分けても999の「メーテル」、ヤマトの「スターシャ」のモデルは実はかのシーボルトの孫娘の楠本高子だとか。

Wikiより

楠本高子

https://googleweblight.com/?lite_url=https://ja.wikipedia.org/wiki/%25E6%25A5%25A0%25E6%259C%25AC%25E9%25AB%2598%25E5%25AD%2590&ei=2RYg-iwF&lc=ja-JP&s=1&m=343&host=www.google.co.jp&f=1&gl=jp&ts=1531826001&sig=AIvIYWJliqF3MPoS3DbOufcva11S9LPtCA

あせあせ(飛び散る汗)実に美形デス。んで彼女の母楠本いねは「強姦」されて高子(もとは「ただ」と名付けたそうデスが理由は上記リンクでご覧下サイ)を産み、また高子自身も唯一の男児(一男三女を設けた)を強姦によって産んだとか。

まー「強姦」した輩はどーせ「半島」からの流れ者でしょうがねw


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